人生イージーモード | ナノ







いや、この場合は私が暗殺チームにゲットされたことになるのか?
まあ私はそんなことにはこだわらない。

で、無事暗チに加入してやっとアジトとご対面ですよ!どれほど待ちわびたことだろうか!
ちなみにリーダー(すでにリーダーでした)が私を助けてくれたときは他のメンバーの尻拭いだったようで。つまりまだ暗チメンバーはそろっていないと。
あと私は家は売り払ったのでアジトに住むことになります。やったねリーダーと同棲!
うそですうそうそ居候ですメタリカしないで。

「ここだ」
「……おお、普通」
「暗殺者の集まる場所が派手でも困るだろう」
「まあね」

表の通りからちょっと外れたところに古めのビルのようなものがあった。
意外というか、でも予想通りというか。さすがに煌びやかなものは想像してなかったよ。

「あ?なんだそのガキ」

あ……兄貴だァ――――ッ!!!
眩しい!!なんだこの眩い光を放つ姿!!兄貴好きにはたまりませんな!!って本物だよ本物!!
くそう遠目から見ても睫が長いふつくしく整ったお顔にシャツからチラリズムする綺麗についた筋肉、そして輝く金糸!!
私は神を見たね……フッ。

「今日から新しくメンバーになる。イルー……イルーゾォ?」
「はっ」

あぶないあぶない。リーダーからの「なんだコイツ」みたいな視線で戻ってこられたが……兄貴のフェロモンマジぱねえ。危うく戻って来られなくなるところだったぜ……。

「おれイルーゾォっていいます!よろしくお願いします!」

今でき得る最大級の笑顔で応戦だ!大好きな兄貴には少しでも印象良くしておきたい。
もちろんみんな大好きだけど、なんというか、兄貴の前では知らずテンションがあがってしまうというか……。あれだ、美人を前にしてテンションが上がる感じの。
そして最大級の笑顔だが、前ならきめえってなるところだけど今はイルーゾォのお顔なので花が咲いたようにしか見えないだろう。大丈夫だと信じてる!

「…………」

兄貴だんまり。……しくじった?
もしかして「てめえ暗殺なめてんのか何笑顔で自己紹介してやがんだこれだからガキはぶつぶつ」なんて思ってるんじゃ……。
嘘だろ承太郎……こんなことってあるかよ……。

しょーぼんの顔文字のようになりながら恐る恐る下から兄貴を覗き込む。

「……しよ」
「へ?」
「あ、いや、何でもねえ。足引っ張るなよ、イルーゾォ!」

だ、大丈夫だったっぽい?はじめ何言ってるかわかんなかったけど兄貴からの足引っ張るなも貰えたから最高にハイってやつだァ!
で、でも心臓に悪いので頭ぐしゃぐしゃ撫でるのやめてください。




「……結婚しよ(ボソッ」
「正気かプロシュート」



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