フェルマー「助けてくれたのは感謝してもしたりない、が、クレイン」

クレイン「なんだい」

フェルマー「ドロッセルもそうだが、些か警戒心や危機感が足りないんじゃないか?」

フェルマー「大怪我をしていた身元もわからない男を助け、あまつさえ部屋で二人きりになる。これはあまり褒められたことじゃないだろう」

クレイン「まあ、そうだろうね。けれどあんまり大勢でも警戒させてしまうじゃないか」

フェルマー「だからって……」

クレイン「大丈夫だよ、話は聞こえていないだろうが、一応部屋の外にはローエンがいたからね」

フェルマー「…………俺は何もきいていない。何も恐ろしいことなんてないんだ」

クレイン「はははっ」