人生イージーモード | ナノ







と、思ってはみたけれど、なかなか幸先がいい。
幸い仕事を見つけることができた。少々危険を伴うものだったが、いわゆる運び屋というその仕事は私の能力を使えば確実かつ迅速にこなすことができた。
なんせ邪魔が入らないのだ。これほどの天職があるだろうかと今真面目に感動している。
それになぜかは全くわからないけれど、やっぱり鏡の中で長距離を移動できるため、外の世界にさえ気をつけていればそれでいい。

ただ問題なのは、この仕事が主にギャングに関わっているということだ。
いや、むしろチャンスなのかもしれない。このままパッショーネに入ることができれば万々歳である。
そして行く行くは暗チへと……。
待っててねリーダー。


「で、この状況はどういうことなの」
「……オレに聞かないでくれないか」
「はい」

現在、敵スタンドに襲われていたリゾットを鏡の中に引きずり込んだところです。
スゴク警戒していらっしゃるけれどメタリカちゃんは危ないので鏡の外に置いてきてもらった。強制的に。
まさか仕事の途中にいきなりリーダーに会うなんて思わなかった。若干パニック中。

「おまえは確か……」
「少し前にあんたに助けてもらったガキだよ」
「そうか」
「うん」

……会話が続かない。これは由々しき事態だ。けれどまあ説明が第一だろう。
今までのシリアスはなんだったんだ。

「えっと……ここはおれのスタンド、マン・イン・ザ・ミラーが作った鏡の中の世界で、ここではおれだけがいろいろできるんだ」
「……例えば」
「今のあんたみたいに人間だけ引き込んでスタンドと引き離しちまうとか……まあいろいろ」
「なぜ助けた」
「それ真っ先に聞くことだよね普通」

もうリゾットったらおちゃめさん!すみません石投げないで。
怪訝そうな顔をするリゾットを刺激しないように続ける。
メタリカを使えない自分とマンミラを出してる私、どちらが有利かを理解して今はおとなしくしてくれているけれど、あまり機嫌をそこねることはしたくないのだ。

「助けてくれたお礼半分と、あんたの所属してる組織に入れてもらうためってのがもう半分。当然あんたが何の仕事してるのかも知ってるし、それがどういうことなのかもわかる。それでもおれは組織に入らなくちゃあならない」

真摯に告げるけど、リゾットは黙ったきり。
そりゃあ突然10いくつの子供にギャングの仲間に入れて!なんて言われたらこうもなるだろう。でもだめだと即答しないあたり揺れているのだろう。
今のうちにたたみかけとこ。

「もちろん今からあんたを手伝うから、それを見て判断してほしい。判断する人が別にいるなら紹介してくれるだけでいいんだ」
「…………本気のようだな。それなら止めはしない。しっかり手伝ってもらおう」

やった!いい返事が聞けました!
これでひとまずはオーケイかなあ。とりあえず今から共闘するのだからお互いの能力は明かした方が良いだろうと情報交換。
幸い、お互いにバレてもあまり支障のない能力だったためスムーズにできる範囲での交換が終了した。
ちなみに私はほとんど全部話したけど、リゾットは背景と同化できるということは言わなかった。そういうことだ。




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