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いつものようにペッシと魚釣りに行ったりホルマジオとドライブしたり、ギアッチョとゲームをして、そこに混ざってきたメローネをボコボコにして騒いで兄貴に怒られて。
それからリーダーからの鬼畜任務に挑んでソルベとジェラートにおかえりって抱きしめてもらう。
それが私の日常で、たぶんこれからも変わることのないものだった。
「ここは……」
任務の途中に遭遇したスタンド使いの能力をくらった私は、気がつくと知らない場所にいた。不覚ってやつだ。まさか攻撃を食らうなんて。
兄貴は心配してるだろうなあ。二人で任務だったからって兄貴の目の前で消えなくたっていいじゃないか。たぶん向こうでは私は急に消えたことになっていると思われる。
あ、でも消えた原因がわかってる方がまだ安心できるかな。
能力の検討もつけておいたほうがいいかな。
例えばマンミラさんみたいにどこかに引きこむものだったり、あるいは場所を移動させたり、あるのかは知らないけど世界を移動させるとか。どうしてここで世界っていう単語が出てくるんだって思うけど、実際に私は一度世界を移動しているからないとは一概には言い切れないのだ。
でも今こんなこと言ってても仕方ないよね。答えがわかるわけでもあるまいし。
とにかく現状把握と生きること。じゃないと助かるものも助からなくなるからね!
「なんて思ったんですけど、なんですかこのでっかい人!」
ギャーッ!!全裸の巨人が襲ってくるゥウウ!!!
しかも辺りは木!木!木!木しかねえ!これはどういうことだ!!
鏡なんてどこにもねえ!!鏡!鏡はどこだァ!!!
手が!今にも巨人の手が私に触れようとしているッ!!
どうするイルーゾォ!どうするんだ!さっきからマンミラさん出してボコ殴りしてるのに全然きかないし!!ってうわああああああああ手ェエエエエエエ!!!
「おッ!おれを食べることはッ!許可しないィィイイイッ!!!」
「何を騒いでやがる」
私の目の前まで迫っていた巨人さんの手がピタリと止まって、ズドォオオンと大きな音を立てて巨人さんが倒れた。ら、なんか小柄な人がこっちを怪訝そうに見つめていた。
「つかてめえ、何でこんなところにいやがるんだ。ここは壁から数キロも離れた森だぞ」
「壁?」
「…………」
壁ってなんぞ。森はわかる。あと何でこんなところにいるのかも一応把握できてる。
でも壁は知らぬ。……あれか?壁の目?8部じゃんちげーよ?
なんだか考え込んでしまった黒髪小柄マントさんを眺める。カッターナイフの刃みたいな形状の剣?についた血がジュウウと音を立てて蒸発していた。つい隣に倒れた巨人も同じように蒸発していた。……ねえ、私の目がおかしくなったのかな?
「とりあえず、ついてこい」
「あ、はい」
「乗れ、行くぞ」
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「ああ」
「イルーゾォっていいます。あなたは?」
「……リヴァイだ」
ほら行くぞとリヴァイに促されて馬に乗った彼の後ろにまたがる。なんだか警戒してるみたいだけど、本当に警戒してるなら簡単に背中なんて見せちゃだめだよ!マンミラでガオンだからね!そういえば私手鏡持ってた。
それにしても高いよ!馬超高いよ!つかお尻遺体!アッ違う痛い!そして馬はやい舌噛む!!
そ し て !
「チッ、しつこい奴らだ」
巨人さんの!!大群!!!が!押し寄せてくる!
一応馬さんの方が速いからか距離を維持どころか向こうは詰めることすらできないみたいだけど!でも!やっぱり!こわい!!ね!!
なんか一際大きな足音が聞こえてきた!何これこわいイルーゾォは混乱している!
「ッ奇行種か!」
「こええええええええ!!!」
おそらく足音の主であろうリヴァイに奇行種と呼ばれた巨人さんはなんだかすごく大きかったです。まわりの巨人さんより数メートル高かったです。そしてッ!一気にッ!加速するッ!
ふあふああーッ!!目の前に!巨人の!お口がッ……
ばくん
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