人生イージーモード | ナノ



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歓迎会を開いてもらってからしばらくがたった。
任務はソルジェラに買ってもらった服で行っていますとも!破かないようにするのに毎回必死。
ちなみにホルマジオが前に言っていた残りの二人はお亡くなりになったようでした。南無。

さて、今日はまた任務だ。今回は私一人でいくらしい。早朝からご苦労なことだ……。
兄貴に肩をがっちり掴まれ揺さぶられ「絶対怪我すんなよ!?」と言われてしまえば無傷で帰るしかないじゃないか!
内容としては高級ホテルに宿泊しているある会社のトップを気づかれないようにグサッとすればいいみたいだ。

そういうわけで鏡の中を通って慎重にその人の部屋の前までくる。
そして鏡の中からその部屋のインターホンを押す。相手から見たら悪戯みたいなものなんだろうな。まさにピンポンダッシュ!
で、なぜピンポンするかというと、さすがにいきなり独りでに扉が開いたらびっくりでしょうし、何よりロックかかってるだろうしね。
何のための高級ホテルだっつーんだ!チートだからって何でもできると思うなよ!

ドアが開く。きっと部下らしき人だろう。さすがに無防備だからね。
ドアが開いた瞬間に体を滑り込ませる。
ちなみに物はすり抜けて通れないけど、なぜか人はすり抜けられる模様。これは便利。

「悪戯か……?」

ええ、悪戯です。すごく悪趣味な感じの。
部屋の中を見回す。特に変なものは、ない、かな。で、後は部下らしき人たちの人数ですが……。どうするか。何人いるんだ。

部屋の趣味のいいドレッサーの鏡から外を覗く。えーと……3人か。今回のターゲットはいない。でも部屋にこの人たちがいるならどこかにいるよね。よし探そ。
というわけでお部屋を探検。
結果はさっきの三人と洗面所前に一人、そして恐らく洗面所で身支度を整えているターゲット。
なんでそんなにばらけた所にいるの。面倒じゃないか。
で、気づかれないように、だろ?

「まあ?マンミラに?かかれば?余裕?ですけどねー!!!」

そこ!ウザイとか言わないの!

まずは外から固めるということで。三人の部下さんの前に手鏡を置いて回収。マンミラさんでボコ。
そして洗面所前の一人をマンミラでボコ。扉を少しだけ開けて手鏡で中を確認すれば案の定鏡の前にいるターゲット。
もう部下がこの世にいないなんて露ほどにも思っていないだろう。つまりバレてない。
そのまま気づかれないように入る。折角だから目の前の鏡からいってやろう。

「マンミラーッ!」
「ひょげーッ!」

ボコ。任務完了。はやい。そして完璧。
どうせ騒ぎにはなるのだからささっとその場を離れて終了。
ちなみに死体は鏡の中で放置だから、殺されたのか行方不明なのかも分からないだろう。死体は絶対出てこないだろうし。

アジトに戻ってリーダーに報告すればよしよしと頭を撫でられた。
兄貴には抱きしめられて昇天するかと思った。うん。ソルジェラとマジオは任務みたいでいなかった。
リビングではギアッチョがぷよぷよしてたから今から混ざろうと思う。




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