こげくさい愛をあげる 2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・チョコレートはやはり溶けてミソノの手を黒く汚している。
それをべろりと舐めとったミソノは、まだチョコレートを口の中でもごもごと咀嚼しているコノエにキスをする。
まだ食べてる最中なんですけれども。
それを口に出す事がかなわず、されるがままになる。
舌を差し込まれ、甘いチョコレートを持っていかれる。
1つのチョコを2人で食べて、チョコレートの味がなくなるまで舌を絡ませあって、ようやく開放された時にはコノエは肩で息をしている有様であった。
「この国のチョコレートは、もっと甘くてもいいと思うんだけどねぇ」
「あれ以上甘いのは私、ちょっと苦手です…」
「もう一個いる?」
ころころと、ミソノの手にはまたチョコレートが転がっている。
少し醒めた目でそれを見ながらコノエは言った。
「あなたが変な事を言わないのでしたらいただきましょう」
「変な事ってなんだよ、変な事って」
にやにやと奇妙な笑みを浮かべる。
言わせたいのかこのやろう。
言わせたいのだろうな。
そういう男だ。
「その、奇妙な笑い顔おやめください。いい男が台無しですよ」
ぷい、と顔を逸らしてそう言ってやる。
絶対に言うものか。
「奇妙って。どんな顔しても僕はいい男だろう?」
「少なくともその顔はいい男じゃないとおもいま、むぐー!」
口に何かを押し込まれそのまま塞がれる。
甘くないチョコレートの他に、苦味のある何かが口に広がっていく。
コノエは眉をしかめて抵抗してみるものの、がっちり固定されて動けない。
舌を差し込まれ掻き混ぜられて唾液と共にその苦いものを喉に流し込んでしまった。
焼ける様な熱さを感じる。
アルコールを流し込んだような。
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