抑えきれぬ衝動 1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しん、と静かな教室内。
しゃべる者は誰一人も無く、聞こえるのはカツカツと妙に大きく聞こえる、チョークで黒板に書く文字の音だけ…。
そんな中、必死に声を出さないように堪えている少年が一人。
一番窓際の後ろから二番目の席、ブースターのムツだ。
抑えきれぬ衝動
「……っ……はぅ」
ムツは足をかたく閉じ、椅子に浅く腰掛けている。
今、ムツの後ろにはバイブが埋め込まれている。
犯人はムツの後ろに座っている、ウィンディのリード。
リードは声を堪えるムツを見ながら、妖笑を浮かべている。
「はぅ……んんっ…」
プルプルと小刻みに震える体。そんなムツにリードは話掛けた。
「どうしましたムツ君…。体が震えていますよ」
ビクン!!
と大きくムツは反応した。
「ムツ君、どうかしたんですか?」
「……っ、ひぁ」
堪えてて何も言わなきゃ分からないですよ?と、まるで何があるのか知らないかのように悪戯っぽく耳元で囁く。
「リ…リードく……ん…」
「何です?ムツ君?」
「だっ……出したい…」
ムツは苦しそうにそう答えた。
イきたくても、イけ無いと言うのはとても辛かった。
ここで出してしまうわけにもいかないし、今教室内から歩いて出るなんてことは状態的に無理で。
結局、耐えるしか無いのだ。
← | →
[
TOP ]