欲望ロマンス 3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「えへへっ、ありがと!…あー…んっ!」
「あぁっ!!」
「んぐっ!?」
和やかムードを一裂きした突然の怒声にグレイシアはビクッと肩を跳ね上がらせた。
そして何事かとその声を発したブースターを見上げるとブースターはアイスのなくなった棒を持ち、落胆と怒りのオーラを滲み出していた。
「…誰が全部食っていいっつった?」
「え?!全部くれるんじゃないのっ?」
「なわけねーだろアホ!一口だ一口!」
「あっ、あほぉ!?」
悪態をぶつけられ、そんな子供みたいに怒らなくてもと自分のことは棚に置いて苛立つグレイシア。
素直に謝る気などあれよという間に失せ、反抗的態度を全面にフンッと顔を背ける。
「アホはそっちじゃんっ!そんなことぐらいで怒るなんて子供みたい!」
「…あぁそう。反省する気ゼロか」
「ぅあっ?!」
やけに落ち着いた声色に恐怖心を起こされたその瞬間、か細いグレイシアの手首をブースターの手が強引に掴み取った。
不意打ちを食らい、目を丸くするグレイシアの顔をブースターは冷ややかな笑みを浮かべて見下ろす。
「…お仕置きだな」
「は…っ!?なっ、おしおきって…」
強張ったグレイシアの手からアイスを奪い取ると、ブースターはグレイシアの体を押して無理やり畳の上に組み敷いた。
「何っ、何?!ていうか私のアイス!」
「俺の食っただろーが。…だから俺もお前のアイスを好きなように食う」
「や…っ!?ちょっと、なに…ッあ!!」
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