決して抗えぬ 1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その日、彼女はメイドさんになっていた。
黒を基調としたワンピース。白いひらひらレースがあしらわれてとても可愛らしいそれは短いもので、そのワンピースの上にはこれまた白いひらひらレースの愛らしいエプロンで、ワンピースとお揃いで赤い小さなリボンが飾りについていた。
頭に着けられたカチューシャは白で、やっぱりひらひらレースで、赤いリボンの飾りがついている。
白いオーバーニーソックス、黒いエナメルの靴。
機能性0のそれは、どこからどう見てもメイドさん(しかも風俗向け)である。
どこからかそんな衣服を入手してきた目の前の男に、うっかりメイド服を着せられてしまった。
「なんでこんな服があるんですか…」
「似合うと思って買ってみた。あと低温用蝋燭とかもあったから買ってみた。アイマスクとかは持ってるから買わなかったけど何か色々可愛らしいデザインのがあるんだな。あ、ファー付きの手錠は買った」
「ななななんでそんなもん買って…!いやーー!!装着させないでください!!」
かしゃり、と鎖の音を立てて後ろ手にファー付きの手錠でカイリューの手を拘束する。
フェイクファーのふさふさした感触でカイリュー自身に傷は付き難そうだ。割と良さそうだなとリザードンは判断する。
こちらを見上げてくるカイリューはせめて、拘束を外してくださいと訴えてくる。
つるりとした卵のような頬を撫で、化粧もしていないのに赤い唇に魅かれるように口付ける。
ぬるりと舌を絡め深く深くしていくと、苦しそうにカイリューからくぐもった声が漏れる。
苦しそうではあったがそれを無視して、がくがくと震えてきた身体を片手で支えながらも柔らかな舌の感触を味わうように食む。
長いキスについにがくりと力が抜けたカイリューを両手で支え、革張りの1人がけのソファーに座らせる。
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