放課後の秘密 1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私の恋人、シャワーズはクラブの先輩。
おっとりしたとっても可愛い人だ。
今まで体育会系のクラブしか入った事の無かった私が美術部に入ったのも彼女がいたから。
何とかお近付きになってやっと恋人になり、今に至る。
だいすきなだいすきなセンパイ……
放課後。
いつものように美術室へ。
そこにいるであろうセンパイに会う為に。
「シアちゃん、遅いー。」
いつもの時間でもセンパイはこう言う。
一刻も早く私に会いたいというのもあるけど、美術部員は私達2人しかいないのだ。それに加えて顧問
は滅多に美術室へ顔を出さない。
はっきり言って1人は寂しいと思う。だからだろう。
「ごめんね?センパイ。」
私はいつも素直に謝り唇に触れるだけのキスをする。
「ちょっ、シアちゃん!」
センパイはいつもこんな風に顔を真っ赤にして照れるのだ。
そして、照れ隠しに私を軽く叩く。
もう、本当に可愛らしい。
「センパイ、そんな可愛い顔しちゃ……、食べちゃうよ?」
「へ?……シアちゃん?まさか…」
目を白黒させるセンパイ。
もうそんな所が可愛くて、冗談で言った『食べちゃう』を本気で実行したくなってきた。
美術室は他のクラブとは違う棟にあり、美術部に用がない限り誰も近付かない。
さらに有り難い事に、昨日顧問が来て、今日から出張で来れない事がわかってる。
チャンスである。
『据え膳食わぬは……』
とはよく言ったものだ。今まさにそんな感じ。
私はセンパイに満面の笑みを向けるとゆっくりと近付いて行った。
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