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授業中、ロコンちゃんは鉛筆回したり、寝たり、と思ったらノートにガリガリ書いてたり。
あたしは後ろからそれをぽーと眺めているだけ。
でも…幸せだ。
好きな人をこうしてじーと見ていられるんだから。
ときどきロコンちゃんはこっちを振り返ってにこりと笑う。
その度あたしは下を向いて赤くなった顔を見られないようにする。
どうしようもないんだ、この気持ち。
「はい、じゃイブ、ここ前に書いて。」
突然の指名。
「へっ?あっはい…」
困った、そういえばこの先生は前見てない生徒を当てようとするんだった…
答えどころか、今どの問題をやればいいのか分からないまま前に進む。
どうしよう…ロコンちゃんにはかっこわるいとこは見せたくないよ…
と、あたしの前に差し出されるノート。
ロコンちゃんだ。
「使って。」
こっそり渡してくれた。
あたしはそのノートを見ながら黒板に答えを書いていく。
ロコンちゃんはわざわざその問題のところに印までつけてくれていた。
…ホント、助けられてばっかり。
あたしがロコンちゃんを助けたことなんて…あったかな…?← | →
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