4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
悪い予感はしていたのだ。
エーフィはうっすらと背中に冷や汗をかいているのに気づいていた。
通って来た道々にあったきのみの木にまた行きつくこともなく、他はどれも同じような木ばかりで、歩くのをやめた瞬間に今までどこから歩いてきたのか分からなくなるくらいだった。
日は完全に沈み月の薄明かりだけを頼りに進んでいた。
しかしまっすぐ進んでいるのかも分からない状態だった。
「きのみ重いなあ…、どこが出口なんだろう」
森の外に抜け出ることを祈って適当に歩いていたら、ふと月以外の明かりが木々の向こうを照らしているのに気がついた。
「きっと誰か住んでるんだ!助けてもらおうっと」
急ぎ足で茂みを抜けるとそこには木に寄りかかったような形の小屋が立っていた。
明かりはこの丸太造りの小屋の窓から照らしていたのだった。
迷いながら歩くのはもうこりごりだと疲れきっていたエーフィは小屋のドアを叩いた。
「すいませーん、誰かいますか〜?」
中からガサゴソと物音がして、ゆっくりとドアが開く。← | →
[ TOP ]