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「ふあぁぁ、眠いなあ。もうお昼になっちゃってるし」
部屋は持ち主を表す、というらしい。
しかし全てのケースに当てはまる格言など無いらしい。
コンクリが打ちっぱなしの牢獄のようなその部屋には似ても似つかわないエーフィがむくりと起き上がった。
薄ぼんやりと機械の光が点滅している中でそのエーフィだけ明らかにが浮いていた。
「むう〜、いい加減なにか変化見せてくれてもいいのにねっ」
とある試験器具に話しかけている様子は珍妙だけれども、この部屋にはエーフィだけしかいないのでそう思う者はいない。
無愛想な試験器具に背を向け、からみ合ってモンスター化しているコードの束をひょいと越えてエーフィはこの部屋の唯一の外とのつながりを持つ扉の前に立った。
「よい・・・しょっと!」
エーフィは全身を使ってなんとか錆びていても重厚な扉を鈍い音を立ててスライドさせた。← | →
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