回想回帰 16
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「あのね、お願い…聞いてくれる?」
妙に顔を赤らめてエルフィは言う。
「どんなお願いだ?」
えっとね…と絞り出すように言った後、エルフィは言った
「昔みたいにわたしのことが好きなら、あのときの気持ちで…、今の状況とか暗いことも全部どっかに置いて、それで…わたしを抱いて欲しい…な。」
「それは…。もちろん俺はあのときからずっとエルフィが好きだけど…」
そんな理由で交わっていいのか…と続けようとしたが、エルフィがわかっていたからなのか、「ううん」とそれを遮った。
「今は現在の状況も忘れて浸っていたい気分なの。
そんなのがなにを満たしてくれるのかも分からないけど、でもヴァンくんと一つになりたい。わたしを想ってくれてるヴァンくんにただ抱かれていたいの…」
「……分かった。俺でいいなら抱かせてくれ。」
「うん…ホントは初めてはヴァンくんにと思ってたんだけど…でもそれはもう叶わないから…」
「そういうことは気にしないんじゃなかったのか?
…俺は、エルフィが初めてじゃなくてもそうであっても好きな気持ちに変わりはないつもりだ。」
「うん、ありがと。そうだよね…。ヴァンくんは優しいなぁ…」
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