18禁(表) | ナノ




回想回帰 7


もういいんだ。


彼女は幸せを掴んだんだ。


俺じゃないだれかと。





「ふぅ…」




「専務、お疲れですか?」

若い女性のキュウコンがコーヒーを差しだしながら言う。



「いや、そうじゃないんだ。」




「そうですか…。では失礼します。」



「ああ。ありがとう。」




キュウコンが行ってしまうとまた溜め息を吐いた。


明日はエルフィと会う約束の日なのに、追憶に浸って後悔ばかりしているんじゃまたつまらない話をしてしまいそうだ。



こう1人で動くこともない壁を眺めているだけの会社員からどんな面白いお話が湧いてくるのだろう?



自嘲気味に笑った。



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