回想回帰 6
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日が沈み、校舎が影を伸ばし2人を捕まえようとする。
黙りこくる2人。
よくある光景。よくあるシチュエーション。
「俺な、お前のことが好きなんだ。」
ちょうど顔に影がかかろうとしたとき、俺は呟くように言った。
「……。」
………。
こんな妄想を何度繰り返しただろう。しかしそれはいつまで経っても妄想で、幻想で……。
幾度となく繰り返される幻想の中では彼女が答えることは一度もなかった。
彼女に答えを出してもらうには、それを幻想としてではなく、現実にする必要があったのに…。
時はそれを待つことなく、完全に無慈悲に締め切った。
「俺な……エルフィが好きなんだ。」
「……。」
……。← | →
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