回想回帰 3
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落ち着いた雰囲気で様々なコーヒーの香りがただよいまるで空中でブレンドされているような喫茶店で、開いている2人掛けのテーブルに向かい合って座った。
コーヒーとカフェオレを注文して話し始めた。
「お前はこの10年何してたんだ?」
「んーとね、専門行ってデザインを勉強してそのあとめでたく就職。んで、仕事場で出会った今の旦那と結婚して子どもができてデザイナーを止めたけど、今はまた復職目指して活動中ってところ。」
「へぇーすごいな…。」
まさに1分でわかる人生談だ。
エルフィは俺と同じように中等部を卒業してからはどっかの街に行ってしまった。
また俺と同じように同窓会にも出席しなかったため、彼女の詳細は誰も知らなかった。
結婚した、ということだけは友人つながりで聞こえてきたけれども。
「子ども置いてきてこんなところで話しててもいいのか?」
ふざけ半分でそう言った。
「…いいのいいの、もう1人でもなんでもできるんだし。」
一瞬陰りが見えたが、すぐに笑顔にもどってエルフィは言った。
…幸せな家庭なんだろうな。 こいつのことだ。そんなの当たり前だよな。← | →
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