18禁(表) | ナノ




はちみつよりも甘く 11


「…んぅ…。のど、いたい…です…」

「あ、起きたね」


ほっとした声が、頭上からする。
見上げればそこにミソノが居る。


「…はちみつ…」


ふと浮かんだ、金色。

何かを思い出す。
なんだっけ、なんだったろうか。


「水のがいいよね。起き上がれる?」


ミソノに支えてもらい起き上がろうとするが、びきと引きつるような痛みが腰を走る。
その痛みは全身に回っていき、コノエは再度布団に沈み込んだ。
…ん、ふとん?


「ぉぉぉ・・・いっだあぁぁぁぁぁ!!」


のた打ち回れる!
しかし、のた打ち回ろうと腰を捻った時点で死ぬかもしれない。
痛みに息を荒くして布団に沈み込んだコノエにミソノはあわあわと掛け布団をかぶせる。

はて、何でこんなことになっているのか。
腰が痛いのはたまにあるけれども、ここまで痛いのはそうそうない。

あと、私はいつ布団に入ったのだろうか。
なんでミソノさんがここにいるのだろうか。

ぱたぱたとミソノは廊下に出て水を取りにいく。
その後姿を涙目で見送る。


「……」


吹っ飛んでいた直前の記憶が息を吹き返すように鮮やかによみがえる。
ろくでもない、その記憶。
いつもに増して醜態を見せ付けた、その記憶。


「ミソノさん!!!ちょっとこっちきて座んなさい!!」



コノエのお気に入りの蜂蜜は、この件を忘れるまで食卓に上る事は無くなった。



END.


120330


食べ物は粗末にしてはいけません。
そんなわけで食べ物プレイ。

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