はちみつよりも甘く 2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・慣れてるほうがいい。
そう言われてコノエは少し嬉しくなった。
微妙というミソノの顔がなんだか可愛らしい。
「私も、どうも甘い緑茶は受け付けませんでした。でも、甘い方が良い方もいるようでしたので早速お出ししてみたのですが、そうですか、微妙でしたか」
「うーん、飲みやすいんだけど、もうずっとここで出してもらってる緑茶は甘くなかったからなあ」
「では、淹れなおしてまいりましょう」
「いいよ、飲む。…それよりも、この蜂蜜入れ借りてもいい?」
「…はぁ。構いませんが」
蜂蜜入れだけ、何に使うのです?
疑問に思って見上げればミソノがにやりと笑んでいる。
あの笑みはなんか記憶にある。
あまり良い予感がしない。
「…ミソノさん、何をなさるおつもりで?」
何がしたいのですか?
嫌な汗が背筋を流れる。
あ、なんかまずい。
いやな予感がする。
返事は無く、ミソノはにこにこというよりにやにやと嫌な感じに顔を歪ませこちらへずいと移動してくる。
正座したまま移動なんて高度テク、いつの間に覚えたのだろう。
背筋を這う悪寒に、コノエはミソノが近寄ってきた分だけ下がった。
が、目だけはきらきらと輝いたミソノの移動のがずっと早くさっくりと捕らえられてしまう。
「お茶よりコノエに蜂蜜いれたいな」
「…お断りいたします。ほんとやめてくだぎゃーーっ!」
いれたいな。
とか可愛く言うな!可愛くない!
ディスペンサー見ながら何考えてるんだお前は!
色んな言葉が頭を通過していく。
だが、どれもコノエの口から飛び出す前にミソノの手が服へと伸びてくる。
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