真昼の夢 2
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「お、重くない?」
「君の重さなんて、羽みたいなものさ」
僕の首筋に鼻を擦り寄せたブラッキーは、上機嫌に呟く。
「…ああ、グレイシアだ」
「当たり前じゃないか」
「そうでもないよ。丸二週間、君にはこうして触れていなかったんだからね」
もうそんなになるのか、と頭の冷静な部分が考えて、すぐにそれどころじゃなくなった。
だってブラッキーの…!!
「ちょっ、ブラッキー!!」
「仕方ないだろ。必然的な反応だ」
振り向くことが出来ないから、実際見ることはできないけど、多分今ブラッキーは笑っているんだと思う。
口の端を吊り上げて、ちょっと得意そうに。
「二週間も我慢できたのが、自分でも不思議なくらいでね」
ぐ、と反応をし始めた腰を押し付けられて、思わず息を飲む。
途端に、ブラッキーの体温や、匂いや、息使い、全てが意識され始めて。
「なぁ、グレイシア。…いいだろ?」
ああ、ブラッキーだ。
さっき自分で呆れたのにも関わらず、ブラッキーと全く同じことを思ってホッとしてしまった自分が嫌になった。← | →
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