中途半端に病 1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「…どうしたの、ルカリオ」
いきなりこんな所に連れ込んで。
とリュウは優しくポンポンと僕の頭を撫でた。
リュウの言うことは尤もだ。
だって主人であるリュウが帰宅してすぐにリュウの手を取って、この物置部屋まで駆けてきたんだから。
わき目も振らずに結構な距離を走ってきたもんだから、僕もリュウも微妙に息が上がっている。
リュウの吐息は妙にいやらしい気がして、それだけで心臓がもっともっと高鳴った。
「…リュウ」
「なあに?」
僕の頭の上に置かれたままのリュウの手を取って、そのままそっと指先に口付ける。
するとリュウの瞳の奥に僅かながら情欲の表情が読み取れる。
僕が欲してるの、今のできっと分かったんだと思う。
でも、僕が何を欲しがってるかまでは、流石にリュウでも分かんないだろう?
だって、だってね。
「僕を…踏んで下さい」
ほら、予想通り。
リュウは目を丸くした。
リュウを出し抜いたような、そんな優越感を少しだけ持ちつつも僕は言葉を続ける。
「今日は、朝からそうだったんです」
「そうなの?気付かなかった」
「うん。リュウに踏まれたくてしょうがなかった」
「我慢できなかったんだね」
「欲しかったんです」
ちゅ、ちゅ、と音を立てながらリュウの指先に吸い付く。
このごつごつとした節がたまらない。
僕はこの手が大好きだ。
改めて熱の籠った瞳でリュウを見つめなおせば、僕が吸い付いていない方の手でやんわりと自身を鷲掴みされた。
いきなりの手の感覚に思わず身体中がぶるりと震え、叫び声とも、喘ぎ声とも違う変な声が喉から飛び出てしまった。
あ、興奮しているのがバレてしまう。
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