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リアルな夜の夢 2


「わぁっ、ついたよ、スピアー!」


不意に、スターミーが無邪気に駆け出した。
はっとして顔を上げると、彼女の向こう側に、ささやかだが開けた空間が広がっている。


「ああ、そう、確かにこんな感じだった!でも、なんだか小さい気がするね」

「あのころは、広く感じたものだけれどな」


感慨に耽りながら、彼女と一緒に草むらに座り込む。

ひんやりとした空気。
少し湿った土が、けれど、どうしてか心地好い。


「いい夜だね」


スターミーがおどけた風に言って、仰向けに倒れ込む。
背中に泥がつくぞ、と俺が注意しようとしたとき、そのまま空を見上げた彼女が、はっ、と息を吸い込むのがわかった。

かれの視線を追って、俺もまた、言葉を失った。
目に飛び込んでくるのは、いつも見るのとは比べものにならないくらい近い、満天の星、星、星。


「砂金をばらまいたみたい」


スターミーがうっとりとため息をついた。


「砂金だろうと、こんな星空は作れない」


あまりに俺が即答で断言したので、彼女がくくっ、と吹き出した。


「あなたがそう言うのなら、きっとこの空は砂金以上の値打ちなんでしょうね」


その言い方が随分いたずらっぽかったから、俺はひそりと笑って、彼女に顔を近づけた。


「ほんとに凄いな。連れて来てくれてありがとう、スターミー」


それから俺は、ほんの冗談のつもりでこう付け足した。


「こんなに良いものをスターミーと独占したなんて知られたら叱られるかな」



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