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微笑む絵本2


「ムツ君は?どうするんですか?」

「んー…甘いものをたくさん食べて寝ちゃうかな。最後の瞬間なんて考えたくない」

たぶん映画みたいにビルがぼろぼろに吹き飛んで何にもなくなるんだろうな、とは思うけどそんな恐怖見たくも感じたくもない。
映画の世界だけで充分だ。

リード君は相変わらずですねぇ、と言って笑う。
もしも明日で最後なら今日でこんなリード君の笑う姿も最後になるんだろうな、なんて考えて俺は彼の顔を目に焼き付けた。

現実としては今夜彼は俺の家に泊まっていくし明日も会えるし、次の日曜日には一緒に遊ぶ約束もある。
その間には電話もメールもいっぱいするし、学校で毎日のように会える。
つまり嫌っていうほど俺はリード君と一緒にいるから今日で最後ってことはまずない。

「リード君は?」

「ムツ君とキスしたいですね」

俺の問い掛けに彼は間を空けずに答え、そしてまるで最後のキスのように優しく口付けた。
ファーストキスみたいに緊張して、一瞬何が起こったか分からなかった俺を彼はそっと抱き締める。

「だって最後なんでしょう?最後にキスで終わる人生ってロマンチックじゃないですか?」

間近で笑う彼に俺は赤くなった顔を隠せなかった。
彼が意外とロマンチストだったなんて初めて知ったけれどもそれどころじゃない。


「ねえ、嬉しすぎて夢みたいなんだけど」

「夢だったらこんなキスが気持ちいいわけないでしょう?」

啄むように遊びのキスを繰り返しながら、リード君は合間に恥ずかしくなるような言葉を被せてくる。
俺は照れと恥ずかしさを必死に隠すように微笑みながら言葉じゃなくてキスで愛情を返す。
頭の中がピンク色って今の俺のことをいうんだろうな。


END.


このCPが当サイト内1のバカップルです。
いつの間にかそうなっていました。


110307

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