短編&Cherry | ナノ




糖度はごく高め7


ない、と言い掛けて、リードは口をつぐんだ。

そしてふっと、とろけそうな笑みを浮かべて、優しい声でささやく。


「ムツ君、真っ赤」

「…ばか…」


ムツはもう顔も上げられなくて両腕でかおじゅうを覆ってしまった。
リードがその腕に触れ、よろこびを隠しきれない様子で言う。


「どうしたんです、ムツ君…」

「ば、ばかばか、リード君が、変なこと、言うから」


なんだか今さら、物凄く恥ずかしくなってしまった。
そう言うと、リードはますますうれしそうに声を上げて笑うのだ。


「ねぇ、ムツ君、俺いま、すっごいムツ君を抱き締めたいです」

「…しらない…」

「ムツ君、熱いですね」

「しらない…!」


ぎゅっと抱き締められて、ムツは身体じゅうから火を吹きそうだと思った。


「ね、ムツ君」

「……ん」

「だいすきですよ」


その顔が、あんまり幸せそうだから。
だからムツはもう何も言えなくなってしまうのだ。


「…しらないよ」


抱き締め返した腕の力に、リードがまた笑ったのだけれど、ムツはなにも気付かない振りをした。



END.


100318

ホワイトデーも過ぎてるのにバレンタイン!

100402

しかも色々あって3/18にup出来なかったというオチ!

100629

ムツの一人称間違えてた…!

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