短編&Cherry | ナノ




小さな歪み


メタモンは容姿を褒めたら怒る。
何でも、同じ姿になった俺に褒められても微妙、なのだそうだ。
微妙も何も、元の姿は似ても似つかないのだからそんなのは当たり前なのに。


そんなこんなで、メタモンの容姿を褒めるのはご法度だ。
馬鹿じゃないだろうかメタモンは。
そもそもお前みたいな可愛い奴が俺と似ている訳がない。
メタモンの全部が可愛くて仕方ないのに!

それは俺とメタモンが違うからこそ。
むしろ同じ姿になっても、どうしてそんなに可愛い表情ができるのかわからない。
そんな表情、真似出来ない。

もしかしてメタモン、俺なんかじゃなくて本当はお前こそが天才なんじゃないのか?


「メタモン、あいしてる」

「あなたに好かれるなんて、光栄だと言いたいところですけど。一体私のどこを好いてくれてるのですか」

「可愛いところ」

「今あなたは私に変身しているではないですか、同じでしょう」

「全然ちがう」

「それ、あなたが言うことですか?ミュウさん」

呆れたように、まんまるな目を細めて笑うメタモン。

だから何度も言ってるだろう、俺たちはまるで同じではないんだって。

そもそも、見た目なんて問題じゃない。
メタモンが言う言葉、仕草、そのすべてが愛しいのに。
矛盾なんてしてないって!姿を拝借しといて言うのも何だけど。

メタモン、君が容姿を褒められるのが嫌なら、とことん他の所を褒め尽くしてやろう。
それはもう、君を構成する一番小さな細胞まで。


「メタモン、あいしてる」

「…私の、どこを?」

「そうだなぁ」

面白がって繰り返し訊ねてくるメタモンとじっと目を合わせ、俺は答えてあげることにする。
一番、愛しいひとに。


細胞単位であいしてる。



END.


書きたいことの半分も書けていないけど、これが私の限界みたいです。


マイブームCP
ミュウ×メタモン(逆も可)

一体誰得なんだというCPだけども、書いてる私は楽しいのでいいんです。
自給自足、自己満足。

このCPの何がいいって、NLでもBLでもGLでもないけど、NLにもBLにもGLにもなれるところ。


110307

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