不治の病に等しいの4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ブラッキー、痛いよ…っ」
「ごめん、グレイシア、おれ…」
「ぶらっき…?」
ゆっくり顔を近付け、その唇を奪った。やわらかい感触が脳髄をぐらぐらと揺らす。
「っ…なに…ブラッキー…っ、ん…っ」
あわてて逃げ出そうとする身体を抑えつけ、無理矢理舌を割り入れる。舌を絡め取ると、グレイシアの身体がひくひくと跳ねた。
「っん…、ん…」
おかしい話だけれどおれとグレイシアはキスも初めてだったのだ。普段から愛してる愛してるというくせに、おれの純粋な兄はこういう方面にはからっきし無頓着なのである。
おれは最後に半開きになったグレイシアの唇をついばむようにはんで、顔を離した。銀色の糸がついっと伸びて消える。
「…っ…、ぶらっきぃ…」
グレイシアは、初めてのキスに荒く息を上げ、恐ろしいものでも見るみたいにおれを見上げていた。
けれども、その頬は薔薇色に染まり、瞳は確かに濡れているのである。そうだろうとも。おれは心地いい優越感に唇を歪ませ、ちろりと濡れた顎を舐めた。
「グレイシア、愛してる」
「…ぼくも…」
「その言葉、嘘じゃあないよね?」
にっこり笑って、怯える瞼に口付けた。
さあ最後まで奪うのも時間の問題だ。でも構わないよね?だっておれたちは愛し合っているんだから。
落ちるのならば、きみとが良い。
どこまでも堕ちてしまおう。
END.
ヤンデレって素敵
これくらいのヤンデレなら年齢制限はいりませんよね?
100513
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