笑顔を届けに来ました3
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「トールちゃん、どうしよう…」
「謝ればいいんじゃない?」
「簡単に言わないでよ!」
テーブルに伏せてた顔を上げた彼女は不服そうに僕を見る。
「謝れば済むかもしれないけど今回は謝りたくない」
「とか何とか言っても、最後いつも謝るのはナギじゃん」
彼女の同居人が部屋を出ていく理由は決まっている。
向かいで口を尖らせる彼女にプライドを傷つけられた時か、あるいは自分に非があるのを認めたくない時。
どっちの理由にしろ出て行った相手を迎えにいくのは、いつもこの彼女だ。
「今回は絶対に謝らない、だってひどくない?愛しい恋人が留守の間に浮気してたんだよ?」
「クウヤだよ?」
「でも2人きりだよ」
「今もね」
「…トールちゃん意地悪ぅ」
再び唇を尖らせながらブツブツ呟く。
冷めかけたカフェオレに口を付ける彼女がとても幼く見えた。
まるで子どもの恋愛のように感情直結。
この彼女も、そしてクールなようであの子も。
実は感情にとても素直だったりする。
行動にすぐに移せてしまうほど素直だ。← | →
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