短編&Cherry | ナノ




子供めいた自己主張3


「あ!!」


ガーディの非難の声が聞こえる。

私がガーディの本を奪って放り投げたから。

ドサリ、本が床に落ちた悲痛な音がする。


私の表情は悲しみや寂しさとも似つかぬ怒りの表情。

ガーディは驚いたようにこちらを見ていた。


そうよね、私がガーディの物を乱暴にあつかったりしないもの。
そんなことしたら、ガーディが悲しんだり怒ったりするから。
そんなふうになることを、私は望んだりしない。

だから、こんなふうになることは珍しい。


だけど。


堪忍袋の緒が切れたって、こういうことを言うんだと思う。


驚いたガーディなんて気にする事なくその膝上に座る。

真正面にあるガーディの瞳は、相変わらず驚いたように見開かれていて。

そんなの知らない、私には関係ない。

こうなったら、驚かして驚かして驚かしてやるんだから。

私以外のものが、見えなくなってしまうくらいに。



[ TOP ]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -