短編&Cherry | ナノ




子供めいた自己主張2


(折角一緒にいるのに…)


いつまでたっても私を相手にしないガーディにため息をついて、私は彼の隣に腰を下ろした。

表情は、もちろんムスッとしてる。
あり得ないくらいに不機嫌。

部屋が静寂に包まれる。
聞こえるのはページをめくる音だけ。

だからこそ、一緒にいたい、その温もりを感じていたい。


(ガーディは違うの?)


私に触れなくてもいいの?



私は触って欲しくて、だからわざとくっついてみたりもして。


(私は、構って欲しくて)


だからわざと、こんなふうに拗ねてみたりしてるのに。



ソファの上で膝を手で抱き締めて小さくなる。

機嫌の悪そうな顔を膝の間に置いて、ぼんやりと外を眺めた。

明るい空、太陽がさんさんと輝いている。
もう9月だっていうのに、まだまだ残暑が厳しくて、暑い日が続いている。

秋に備えて買った秋服のスカートだって、こんな暑い中じゃ履けもしない。
綺麗に畳んであるスカートを見てはため息。

洗濯物が良く乾くのは嬉しいけれど、もう少しくらい寒くして欲しいなんて…思っちゃう。

何だか損した気分。


だけどガーディは、私の表情になんか目を向けず、読書に没頭。



(…もう)



(もう……)



(もう…っ!)



我慢出来る訳無いじゃない!!!!



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