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やわらかい恋1


ブイゼルくんが真剣な顔して名前を呼ぶときはたいていちょっと理解しがたいことを言い出すときなのだと、最近になって分かってきた気がする。


ブイゼルくんは私と違って頭がいいから時々とてもむずかしいようなことも言ったりする。
世界の不思議なんたらという雑誌から得た知識なんかを時々私に教えてくれるのだけれど、難しい単語ばかり並べるので私はちょっと困ってしまう。
でもブイゼルくんがとっても楽しそうだったりするのでまあいいかと思って頷いておく。


しかしながらそういうむずかしいことを言うときとは違う、理解しがたいことを言うときは本当に困ってしまうのだ。

え?と頭がフリーズ。

どういうこと?と尋ねてみてもそういうときのブイゼルくんには大概私のその、どういうこと?という質問は耳に入ってはいかないらしくって。



「ジグザグマちゃん、」


「ハイ、なんでしょう」


ほらまたきましたよ。
この名前の呼び方はあの理解しがたいことのはじまりの合図なのだ。

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