短編&Cherry | ナノ




優しい関係2


「どうしたの?」


微笑みかけるセンパイ。


「キスしたいなぁ、と思って」


微笑みかえす私。


「…!」


一瞬で真っ赤。
あーあ、本当に可愛いんだから。


「今、…なの?」


「うん、いま」


いつものように「でも課題…」とか「誰かが見て…」とか、ささやかな抵抗が始まる。


私は頬杖ついたまま、貸出カウンターに視線だけ送る。センパイも視線を追う。
さっきまでそこで作業をしていた司書は、カウンター奥の司書室に行ったようだ。

センパイの方へ向き直った私は、また微笑みかける。


「ちゃんと課題もします。だからその前に少しだけ、ね?」


まだ何か言いたげなセンパイを無視して立ち上がる。
左手を差し出すと、迷ってるような動きの右手がこちらを向いたので強く掴んだ。



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