短編&Cherry | ナノ




優しい関係1


放課後の秘密



本はあんまり読まないけど、紙の匂いはスキ。



放課後の図書室には、私たち以外は司書しかいないよう。

グラウンドから聞こえる運動部のかけ声やボールの音がすごく遠くに聞こえて、ココはまるで別の世界みたい。


6人掛けの大きめなテーブルに、教科書やノートを広げてからどれくらい経つだろう。
私の向かい側のイスに座っているシャワーズ先輩は、何やら厚い本を読んでる。
脇に積み上げた数冊の本も、どれも厚め。

タイトルは…、よく分からないけど結構マニアック。


課題を手伝ってもらうのに、別に図書室じゃなくても良かったけど、私の部屋にはお菓子もまんが本も、ベッドもあるわけで。
脱線する自信は凄くあったから、今日は図書室。

でもそろそろ限界みたい。


真正面のセンパイをじっと見る。オレンジ色の西日に照らされてキレイ。

眼鏡なんかかけて。
視力は悪くないクセに。


(あー、キス、したい)


視線に気付いたのか、顔をあげたセンパイと目があった。

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