Vanilla | ナノ




Tali inspiegabile1


気持ちに半分なんて答えはない。
いつだって「ある」か「ない」の、どちらか。


箱の中に入れた猫は、本当に生死が不明なのか?





実験開始。

第一実験、箱を観察してみた。


「あの、奏?どうしたのさっきからじーっと俺の方見て」

「……別に」


結果。
特に異常は無し。よって実験は失敗。

レポート:観察により更に猫の生死への関心が高まる。



第二実験、耳を凝らしてみた。


「あれ、寝ちゃったの?おーい奏ー?」

「起きてるしっバカ!」

「わっ、なに、そんな怒ることじゃないでしょー」


結果。
再び異常無し。実験は失敗。

レポート:猫は死んでいるのかもしれない。



第三実験、箱に触れてみる。


「うわ!な、何!?」

「……」

「か、奏?あぁもう脅かさないでよ、いきなり抱きついてきたから誰かと思った。どうしたの?」


結果。
やはり異常は無い。実験三度失敗。

レポート:実験者の体に異常発生。次回の実験はしばらく時間を置くべきと判断。



第四実験、揺さぶってみる。


「なあ、悠」

「んー?」

「好きな子いるん?」

「ぶっ!な、何言いだすのいきなり!」

「え、何その反応!いるん!?」

「ちっ、ちがっ、い、いないよいないってばうわ袖引っ張んないでよ!!」


結果。
箱に僅かな反応あり。
しかしたった一度きりで、それ以後なんど揺さぶっても反応は無し。
勘違いの可能性も捨て切れず。

レポート:猫は生きている?

← |

[ TOP ]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -