Vanilla | ナノ




さりげなく、愛されてる


「ゆうー、いっしょに帰ろー」


「うん、でもまだ仕事があるから待っててもらえる?」


「分かった!待ってるねー」




悠は仕事を終わらせ、奏を迎えに行った。


「奏、待たせてごめ…て寝てるのか」


そこにはすやすやと寝息をたてて眠る、奏の姿。


(…幸せそうに眠るな、こいつ)


そっと傍に近寄り、さらりと輝く茶色い毛に触れる。思った以上に猫っ毛で、ふわふわして心地よい。
顔を覗き込むと、長い睫毛がくすぐったそうに揺れた。


吸い込まれるように唇を奏のそれに近づけた…のだが、すんでのところで思い留まる。


(お、俺は今何を…!?か、奏がこんなんだから思わずキスしたくなるなんて…!で、でも頭になら、寝てる間にキスしても許される、か?)


ぐっと息を飲むと、そっと額にちょん、とキスをした。
優しく唇を離す。


「奏、好き、だ」


込み上げる愛しさに、思わず言葉が零れる。

するといきなりぱちっ、と奏が目を開いた。
ずい、と顔が近づく。


「本当っ!?」


「な…っ!!!??」


「ね、今の本当!?」


「かなっ、起き…っ!?」


問い掛ける奏を無視し、悠は赤面して返す言葉を紡げない。


「あ、ごめん、ゆうをびっくりさせたかったんだけど…」


「う、」


「ゆう、さっきのは本当なの?」


すこしの、間。


「…あぁ」


「本当に私のこと好き?」


口を手で押さえながら、恥ずかしそうに悠は答える。


「本当、だ」


「っ…ゆう、私もだいすき!」


ぎゅ、と悠に抱き着き、口を押さえる手を退かせてその唇にキスをする。

口を離したあと、にこりと笑うと悠はさっきよりも赤くなって口をぱくぱくさせた。


「かな、なにして…」


「何って、お返しだよ?」


えへへ、と笑うと悠も笑い返してくれた。




End.


奏がリーフィアになったらこんな感じ?
素直過ぎるくらいが可愛い。

悠はへたれすぎですね、わかってます。
へたれ攻めっていいよね!!(黙れ)


書いてて物凄く恥ずかしかったです、はい。


081122
081209

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