kau wele2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「あー、なんだ奏か。びっくりしたよ、どうしたの?」
「暑い暑い暑い…、悠…私は今日が命日になるかも…」
「はいはい、奏が死んだら困るからね、頑張って生きてちょうだい」
「うー…、頑張るー…」
ぐったりとした口調のまま、それでも幾分幸せそうに、奏は悠に頬摺りをした。互いの汗でむれるのも厭わぬ仕草を目の当たりにして、昂輝が眉をひそめる。
「奏…暑いんならそんなにひっつくなよ…。見てるこっちがたまんねぇ」
「なに言うん。暑いからこそこうやって悠に癒してもらいに来たんよー」
「あのなあ…」
「やめとけ昂輝。無駄なんだから」
それまで話を聞いていた光乃が、ひょいひょいと片手を振って昂輝を止める。日頃の奏を見ている昂輝は、それもそうだなとあっさり引き下がった。
しかし目の前で毛むくじゃら、よく言えばもふもふしたイーブイとほのおタイプがベタベタしている姿は夏に見たいものではない。
昂輝は若干あきらめを含めつつも、今度は悠に声を掛けた。
「悠はさ、そんなにひっつかれて暑くないのか?」
「え?暑いよ?」
当たり前のように返ってきた言葉に昂輝は肩をすくめる。
「わっかんねぇ、お前らの考えることって」
「だってさ、ここで引き剥がしたら奏ってば絶対ぎゃあぎゃあうるさいんだもの。だったら修行だと思っておとなしくしてたほうが気が楽だよ」
「ああ、なるほど…」
「えっ、ちょっと待つし、悠それはひどくない?」
「いやいやひどくないひどくない、気のせいだよ」
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