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selamat tidum 3


ぜんぶ気の所為だけれど、守るからと本気で言っているこいつがなんだか凄くカッコイイかもななんて思う。



「わかってるし、んなの」


ぐい、と体を離す。
あついから!とちょっと睨んでやった。


そう、熱いんだ。顔が。


「守ってくれない奴とは一緒にいないし」


「あ、う、そうか。そうだね」


そうだよね、大体オバケなんていないし、なんて自分を落ちつけようとゆっくり呟いている。
そんなに怖かったのか。大丈夫、私んちにはオバケなんかいないから。


ゆうの家にはいたんだろうか?


なら私が全部やっつけてやるのに。


(だって私は強いし!)


ゆうは私が守るし、ゆうは私を守ればいい。

そんなことを考えていたら、少し眠くなってきた。目蓋が重い。
ゆうはまだ、オバケなんかいない、と呟いている。


「ゆう、さっさと寝るし」


明日朝ご飯作って、といつもと同じように言って、わかったよ、と返される。
また元通り。繰り返す小さなやり取り。


明日の朝、私はやっぱり、まだ眠いと我侭を言うだろう。
それに対して、もう朝だよとゆうは言うはずだ。


ゆっくり眠りに落ちていきながら、思う。

繰り返すだけの退屈な日々が、こいつのおかげで少しだけ色付いた。

学ばない猿のままだけど、それでいいか。


(進化なんて、ずっと昔に忘れてしまったから)



繰り返し思うのは、やっぱりこいつが好きだということだけだった。




End.


→あとがき



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