Vanilla | ナノ




selamat tidum 2


がたがたがた、窓が揺れる。



「わぁぁっ!?」


「なんっ!?」


さすがに、私もびびる。

慌てて布団を頭まで被る。

ゆうも同じようにしていた。


(あ、なんか、馬鹿みたい。)



「…風」


私が呟く。

ゆうは何も言わない。

ぎゅうと目をつぶっている。


怖がりだなあと少し呆れる。


「ゆう、ただの風だし」


そう言うと、何故だか、ぎゅう、と抱きしめられた。


(ああ、なんだかなぁ。)

(カッコ悪い奴。)


そんなに怖いん?とからかう様に言ってやろうとする、けど。


「だ、大丈夫!僕が守るから!」


なんて、馬鹿みたいなことを言う、ゆう。
(私の幼馴染。一緒に住んでる、家族みたいな奴)


「こ、怖がんないでいいからね!かなで」


怖いのはお前でしょ?カッコつけなくていいよ。


なんて少しだけ思ったけど、すぐ違うかなと思い返した。
カッコつけてるとかじゃなくて、たぶん。


(本気で言ってる、し)


本気で守ると言っている。


(私を?)


何から?オバケから?そんなのいないのに。



[ TOP ]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -