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nociw3


苦笑すると、奏は楽しそうにふふんと笑った。

全く、本当にこの子はひねくれ者だ。
そんなひねくれ者でわがままで世界は自分を中心に回っていると本気で思っていそうな彼女を、どうしても愛しいと思ってしまう自分もまた相当変な奴だとは自覚している。

だけど直す気はない。

全く、ない。


「俺は奏とずっと一緒にいたいって書いた」


「織姫と彦星が聞いたら、嫌味だと思うし」


「だから叶えてくれないなって思ったんだよ」


「わかってて願うん?」


「何か少しだって、意味はあるかな、と」


だって本当の一生のお願いだからさ、と笑う俺を、奏は不可解なもののように見た。

いいんだ、わかってもらえなくたって。
ただ口にしたかっただけで、もしかしたら私も一緒に、なんて言ってくれるかもと思っただけで。


見つめる奏の瞳の中に、きらきら光る星が瞬いているのが見えた。

その瞳が、すうっと細められる。



「ゆう一人じゃなきゃ、叶いもしないだろうね」


「え?」


「誰かの陰謀でゆうと一緒にされるなんてご免だって事」


私と一緒になりたければ、自分の力だけで叶えてみせろ、と笑う奏。

その挑発的な笑顔を向けられて、急速に顔が熱くなって、心臓がうるさく鳴り始めて。


駄目だ、やっぱり適わない、この子には。



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