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citlivost na chlad 1


ああ寒い、寒い日は嫌いだ、なぜってそんなの手と足の指先が凍えて千切れてしまいそうになるからに決まってる。

だから私は冬が大嫌いだった。
鼻を赤くして冷えた手を暖めようと吐き出す白い息も嫌いで、見たくもなかった。

だけれど。


「どうしたの、かな」


外から死ぬ思いで部屋へと戻ってきた私に向けて、ヒノアラシのゆうがきょとんと首を傾げる。

今にも死にそうな顔をしている、と。
そりゃそうだろう、類い稀にみる冷え性なのだ、私は。

水場に張る氷にだって負けないほどに今の私の指先は冷たい自信がある。
そんなことを自慢しても何の得にもならないことは重々承知している。

阿呆なことをと笑うがいいさ。
そんな自虐をつらつらと述べるくらいには私は寒さに参っていた。

そんな私の話を真顔で最後まで聞いていたゆうは、少し考える素振りを見せて、それからおもむろにこちらへ寄ってきた。
いつもの会話をするよりも、もっと近い距離までやってきた彼に私は内心ぎょっとしたが、後ろへ私が退くよりも早く、ゆうは私の両の手をとっていた。


「うわあ、本当にかなの手すごくつめたいね…!」


ぺたぺたと私の手を触りながら驚いた声を上げる。
そのゆうの手は驚くほど暖かかった。

手を挟み、離してはまた握りを繰り返すうちに、私の手はゆうの手の温度と変わらなくなってしまっていた。
指先から感じる温もりがそのまま体の中に染み込んでくるようだ。

ぼんやりとゆうの小さな手と私の手を眺めていると、ぽつりとゆうが呟いた。
ほら、もうあったかいよ、と。


「冬は寒いから僕も好きじゃないけど…だけど、そんなときはあっためあいっこすればいいんだって。ほら、こうすれば僕の手とかなの手であったかくなるよ」


はんぶんこだ。
そう言ってぎゅうと指を絡めて握られたゆうの手の温かさと目の前に現れた笑顔に、私は手だけではなく、顔も耳も足の先まで熱くなっていくのを感じて、ただただその眩しくてぽかぽか温かいゆうの笑った顔を見つめ返すことしかできなかった。

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