真綿で首を絞める 4


何も言わないザクロに不安と恐怖が募る。
僕はゆるゆるとザクロの袖を揺らす。
ザクロに何か言ってほしくて、僕はひたすらザクロの名を呼んだ。


「ザ、ザク、ロ、ど、して?僕の体、気持ちよかったって、言ったじゃない」

「…ライム、」

「だ、だって、君、昨日三回も、したじゃない」


そう、だって君、嬉しそうだったじゃない。
僕の中に入ったとき、気持ちよさそうにしてたじゃない。
なんで、それともあれは演技だったの?
嘘だったの?
夢中で腰を振っていたのは、何だったの。


「ね、あ、朝だって、気持ちよかったって、言ってくれたじゃないか。も、もし、昨日の僕の行動が気に入らなかったのなら、ザクロが言ってくれたら何でもするし、僕、もっと自分から動くし、」

「ライム、聞いて」

「それとも、僕、ザクロの舐めてあげよっか!自分で言うのもなんだけど、結構上手いんだよ、」

「ライム」

「ザクロが言うなら、どんな格好もするし、どんな無理な体制でもいいから、痛くしても酷くしても何も言わないし我慢するからだから」

「ライムっ!」


びくんっ、と体が大きく揺れる。

ザクロが大きな声を出したのは初めてだった。
僕は慌ててザクロの袖から手を離してごめんなさい、ごめんなさいと謝った。

そんな僕を泣きそうな顔で見るザクロ。
何で君が泣くの。
泣くほど僕を抱きたくないの。
泣くほど僕が嫌なの。
嫌いなの。


…好きって言ったじゃないか!



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