真綿で首を絞める 2


確かに、キクさんが抱きしめてくれたけど、それがどうしたんだろう。
何か変なのかな。

ザクロを見つめていると、ザクロははぁ、と息をはいた。
なんだか不機嫌そう。


「…相手はキク先輩だったのかよ」

「え?相手?」

「嫌なら嫌って、はっきり言えばよかったのに。そしたら俺はー…」


そこまで言ってザクロは言葉を濁した。
何でもない、と呟いて体ごと横を向く。
どうしたのか全然分からない。

でも今日1日のザクロを見ていたら、何か嫌なことがあったんだなと思う。
だったら僕が、それを取り除いてあげなきゃ。

僕は自分の布団を乗り越えザクロの目の前までゆっくり近付く。
そんな僕の行動を訝しげに見るザクロを無視して、僕は胡座をかくザクロの上に向かい合う形で座った。

ザクロが驚いて僕を見る。
僕はふふ、と笑ってみせた。
そのままザクロの肩に手をかけ耳元で囁いた。


「ね、ザクロ、シようよ。気持ちよくなればきっと嫌なことも忘れられるよ」

「ライム…」

「ね?昨日みたいにさ、いっぱい抱いてよ」


僕を必要として。

口には出さないがザクロの首に両手を回し、首筋を舐めながらザクロのソコに僕の自身を押し付けるように軽く揺らした。

ザクロが息を飲む。
僧達は何か嫌なことがあると僕を酷く抱いた。
でもそうすると彼らは幾分かすっきりするみたいだったから、僕を抱くことでザクロもそうなればいい、な。

…ほらザクロ、我慢しなくていいよ?
好きにしていいよ。
君の気持ちと体が満たされるのなら、僕の心なんかは満たされなくても、また空っぽになったって構わない。

だから。
抱いてよ、ザクロ。

ちゅ、とザクロの首筋に吸い付いた時、ザクロの両手が僕の肩を押し、思いっきり突き飛ばされた。



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