観念としての孤独 1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昨日ザクロに抱かれた。
やっぱり、痛いばっかりだった。
だけど…。
何かが、違った。
でも、分からなかった。
「おはよう、ザクロ」
そう言って笑った僕を見て、ザクロは目を見開いて固まってしまった。
僕はいつものようにザクロに笑いかけたつもりなのに、どうしたんだろうか。
何をびっくりしてるのかな?
「ザクロ、どうしたの」
「ライム…」
「ん?」
「…い、や。ああ、ライム、体は…」
「ああ、大丈夫、何ともないから」
久しぶりだったからちょっと裂けちゃったみたいけど、大丈夫。
慣れてるから。
なんて言わない。
ザクロに言う必要なんてない。
だから笑顔で大丈夫と伝えた。
なのにザクロは僕が笑うと辛そうな顔をする。
…そんな顔しなくていいよ。
もう、分かってるから。
君だって同じ。
「ね、ザクロ」
「…ん?」
「僕の体、よかった?」
気持ち良かった?
そう聞いて笑う僕は、君の目にはどう映るのかな。
でもこれは大事なことなんだよ、君に僕の体はよかったって言ってもらわないと、僕はまた必要とされなくなってしまうから。
僕の存在価値なんてそんなもんなんでしょう?
それに君、僕の中で三回もイったでしょう?
ねぇ、僕はよかった、でしょう?
真っ直ぐにザクロを見つめていると、ザクロは明らかに戸惑っていた。
でもそれが何でかは僕には分からない。
しばらくしてからザクロは小さく頷いた。
僕はそれが嬉しくて嬉しくて、ザクロに抱きついて「またしようね」と耳元で囁いた。
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