巡り巡って現実 5
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな絶望に満ちた思いでライムをただ見ていると、ライムがいきなり服を脱ぎだした。
突然のことに言葉も出ない俺の前で、ライムは下着も脱ぎ、一糸纏わぬ姿で…あろうことか、大きく足を開いて見せた。
…一体、何が、起きてるん、だ?
状況を掴めずにいると、ライムが普段からは全く想像もつかないような妖艶な笑みを浮かべ囁いた。
「…いいよ、ザクロ」
その言葉に、思わず唾を飲む。
何だ、これは。
何なんだ。
本当に目の前にいるのは、あのライムなのか。
こんな状況は異常なのに、目はライムの体から離れない。
艶めかしい肌、細い腰に引き締まった小ぶりの尻、その下からほっそりと伸びる、だが柔らかそうな足。
…そして、彼の秘めた部分までが、丸見えで。
素直な体はこの異常な事態を訴える思考を無視し、ライムに覆い被さっていた。
初めて触れたライムの素肌は、柔らかくて、暖かかった。
体を重ねることが、こんなに安心と幸せをくれるなんて。
ライムも触れ合うだけで泣きたくなるような暖かさを感じてくれているだろうか。
触れ合う箇所から募る愛しさと優しさに何度も泣きそうになった。
ライム、好き、大好き、愛してる。
この言葉達を何度も何度も夢中になって繰り返した。
もう、言葉通り、ライムに夢中だったのだ。
…だから俺は、明らかな違和感にも気付かなかった。
ライムは、何も言わず。
ただただ喘いでいた。
馬鹿な俺は、その声がライムの同意の声だと信じていた。
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