始まりの風が吹く日3
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ピコッとふわふわの茶色い耳が最初に見えた。
……あれ?
穴の淵にかかったのは、爪のある手…。
……あれれ?
穴の中から出てきたのは、
それはそれは可愛い、
イーブイ………?
「――ッッ!!!!??」
オレは本能的に跳び上がって、逃げようとした。
が、勢い余って木の幹にもろ頭をぶつけ、そのままそこで頭を抱え蹲る。
なんで!?なんでイーブイ!?
仲間じゃなかったの!?
おそるおそる相手を伺えば、向こうもびっくりしたみたいで、目をまん丸にしてこちらを見てる。
あ、やっぱ可愛いかも。
「な、何そんなに驚いてんだよ…」
オレの態度を不思議に思ったのか(そりゃそうだ)、恐る恐るといった感じでイーブイが聞いてくる。
「あはは、ごめん…、実は違う種族に会うの初めてで…」
そう言えば、ちょっと驚いた顔して
「あ、そうなのか…、じゃ驚かせてわるかったな…」
そう言うと、耳と尻尾がへにゃって下がった。
だめだ、やっぱ可愛い。← | → [ TOP ]