巡り巡って現実 3


嬉しかった。
今まで人を拒んで拒まれて来た俺が、初めて人に受け入れられる心地よさを知った。

そうして俺達は恋人になった。
毎日が幸せで、側にいるだけでよかった。


だけど、月日とともにそれだけでは足りなくなっていった。


笑うライムが可愛くて抱きしめたのが始まりだった。
ライムの体は、柔らかくて、暖かくて。
もっと触れたい、もっと近づきたい。
そう思った。

欲望は止まることなく溢れ続け、ライムとキスを交わした時に気付いてしまった。
ライムを、抱きたいと。

けれど年頃になり色めき立つクラスメート達の中で、ライムは全くそういうことに興味を示さなかった。
だから俺も言わなかった。

ライムが興味ないなら俺だってない。
そんなのなくたって俺達は幸せだ。

大丈夫。
大丈夫。


だけど体は正直で、ライムを思えば胸が高鳴ったし、考えたら堪らなく興奮して自慰もした。
そんな風に悶々と過ごす俺の心など露知らずライムは軽い接触を好んだ。

その度に幸せそうに微笑むライムに、どうしてこんな汚い感情を打ち明けられるだろう。
俺はもうそんな幼い触れ合いでは足りなくなっていたが、ライムに嫌われたくない一心で毎日必死に耐えていた。



そしてまた数年が経ち。

日毎厳しくなる授業に体力を奪われ、軽く風呂に入った後二人で同じ布団に寝転ぶ。
見れば隣で丸くなるライムも余程疲れたのかゆっくりとした瞬きを繰り返していた。

幼子のようなその仕草に愛しさが募る。
俺が授業に対して吐いた悪態に笑うライムに、どうしようもなく好きだと言う感情が沸き上がっていく。

そして、くい、と袖を引かれライムに顔を向ければ、とろんとした甘い瞳と目があった。
風呂上がりで桃色に染まった頬に、半開きの薄紅の唇から覗く真っ赤な舌…。



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