始まりの風が吹く日4


「た、助けてくれて、あ、ありがとう…っ、んで…でっ、なんか、礼…!できれば…っ」



お礼を言い慣れていないのか、ぎこちなく言う相手がとても微笑ましい。



オレの中から漸く恐怖心が全部なくなって、替わりにおかしな感情が湧いてきた。



「お礼、してくれるの…?」


「あ、ああ」


「じゃあ、じゃあさっ!名前、教えてっ!!」


「はぁ?」



オレの言葉に、また相手が目を丸くする。



「んでさっ、また会ってくんない!?」


「……?????」



オレの勢いに、イーブイは顔にいっぱい?マークを浮かべて、とまどってる。こんなこと言われたのは初めてなんだろう。


オレだってこんなこと言うのは、初めてだ。



「ねっ、いい!?」



そう迫れば、イーブイはとまどった顔のまま、こくんと頷いた。



「やった!!」





これがオレとチナの、友情の始まり。



<1話 END>


080921

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