始まりの風が吹く日4
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「た、助けてくれて、あ、ありがとう…っ、んで…でっ、なんか、礼…!できれば…っ」
お礼を言い慣れていないのか、ぎこちなく言う相手がとても微笑ましい。
オレの中から漸く恐怖心が全部なくなって、替わりにおかしな感情が湧いてきた。
「お礼、してくれるの…?」
「あ、ああ」
「じゃあ、じゃあさっ!名前、教えてっ!!」
「はぁ?」
オレの言葉に、また相手が目を丸くする。
「んでさっ、また会ってくんない!?」
「……?????」
オレの勢いに、イーブイは顔にいっぱい?マークを浮かべて、とまどってる。こんなこと言われたのは初めてなんだろう。
オレだってこんなこと言うのは、初めてだ。
「ねっ、いい!?」
そう迫れば、イーブイはとまどった顔のまま、こくんと頷いた。
「やった!!」
これがオレとチナの、友情の始まり。
<1話 END>
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