僕が僕であるために 4


それからザクロは、四六時中僕の側にいるようになった。

それはまるで、僕を必要としてくれてるようで。
僕がどこかへ行くと彼もついてくる。

彼がどこかへ行くと僕もついて行く。
お互いがお互いを必要としている。

多分お互い、寂しかったんだと思う。
馴れ合いでも何でも、初めて体以外を必要とされた。

僕自身を、求めてくれた。
僕とザクロは急速に仲良くなった。

そして友達も増えた。
毎日が楽しかった。




1つ学年が上がった時、僕はザクロに好きだと告げられた。

好き。好き?
好きって、何だろう。

僕は好きという気持ちが分からない。
母も父も、誰も教えてくれなかった。

でも真剣な顔のザクロにそう言われたら、何だか心が暖かくなって、嬉しくて。
気付いたら僕も、と頷いていた。

その時のザクロの嬉しそうな顔。
今でも忘れられない。
そして僕らは恋人になった。


それから毎日が幸せで。
抱きしめ合ったり、手を繋いだり、一緒の布団で眠ったり、暖かい優しさに守られた日々。


初めて口と口も合わせた。
キスと言うらしい。

それはとてもとても優しくて。
涙が出そうな程幸せで、心が優しさで溢れた。


この気持ちが好きになることなんだと思った。



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