今までずっと、これからもっと3


チナがオレの腕の中で小さく頷く。その仕草が可愛くてしょうがなくて、


「ん…っ、こらっ、くすぐった…」


チナの顔中にキスをする。


「や、やめろ…っ、朝っぱらから…!!」


チナが腕をつっぱってオレの身体を押し返す。


「…夜ならいいの?」


言葉尻を捉えてそう言い返せば、てっきり怒られるかと思ったのにチナは真っ赤になって俯いちゃった。

そっか、発情期と言っても、たった一日で終わるわけじゃないんだ。

まだ身体の中の熱は完全に治まっていないんだろう。


「そっそれより…っ、外行くぞっ。腹減ったろ」


そう言ってチナはベッドからピョンと飛び降りると洞窟の入り口に向かって駆け出す。


「あ、待って!!」


オレも急いでその後を追った。 


外は昨日の嵐がウソみたいないい天気だった。

雨に打たれて水分を含んだ葉っぱが、朝日にキラキラ光ってる。

その中で、チナもキラキラ。

オレは眩しくて、思わず手をかざして目を細めた。


「何やってんだ?鼠」


チナが不思議そうに振り返る。


「…鼠じゃなくて、カケル…」


オレはそう訂正して、チナの手を握り引き寄せた。

光の中で。



「チナ」




「大好き」






"Maple" THE END.


長い間、お付き合いありがとうございました!


091224

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