変化していく情欲1


「ん…、んゃ…っ」 


少し伏せぎみになった耳の先に唇で触れれば、それはぴぴっと震えて振り払おうとする。

それを片手で抑えて甘噛みした。


「やっ、やぁ…っ」

チナは肩を竦めて、頭を枯草のベッドに押し付ける。


「ふゃ…、カケル…!やだ、耳…っ」


「ここ、舐められるの初めて?気持ちいい?」


そう言ってオレは、中の柔らかなカーブに舌を這わせた。


「……っ!」


チナの身体がビクンと跳ねる。オレは構わず丹念にチナの耳を舐めていく。


「っ…やぁ、ん…っ、んっ」


やがてチナの身体が小刻みに震えだしたのを感じて、ようやく舌を離す。

泪を一杯溜めて固まっているチナを見て、つきんと胸が痛むと同時に、ひどく凶暴な気持ちが湧き上がってくる。

けど、


「チナ…」


そう声を掛けると、チナの目からぽろぽろと泪が零れ出して、驚いた。


「チ、チナ!?ごめんっ、そんなにいやだった?」


あわてて上体を起こそうとして、それをチナに引き止められる。


「違う…っ、やじゃな…っ」


そう言って抱きついてくる。

抱きつくと言うより、しがみつくといった方が正しいかもしれない。

また、オレの中で黒い感情が頭を擡げてくるのを感じた。

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