とびきり、優しい闇5


「…オレ、イーブイだぜ…?」


暫くそうしていたら、腕の中のチナが呟いた。


「うん。でもチナが好き」


「…雄だから、ガキも、できねぇ…」


「でも、チナが、いい」


「……」


それっきり黙ってしまったチナに、オレはなんだか泣きたくなってしまった。


やっぱり怒ったのかな、嫌われちゃったかな…


軽蔑されたかな、言わなきゃよかった…


それでも、チナに回した手を離せずにいると、背中に何かが触れた。

最初、何か分からなかった。

でも、この状況で、この暖かな感触は…

その温もりの元を辿れば、やっぱりそれは、オレが抱きしめているチナの身体からで。



「チナ…?」


おずおずと身体を離して顔を覗き込もうとしたが、今度はチナがオレにしがみ付いてきて離れない。

そうして、小さな小さな声でチナが言った。


「オ…、オレ、も…、カケルが、い…」



<5話 END.>


090526

まだ、獣八禁は入りません

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